お悔やみの場での「マナー違反」は、遺族に失礼にあたるだけでなく、周りの会葬者の方々にも不快な思いをさせることなります。
大切な家族を亡くし、動揺も大きく深い悲しみの中にある遺族に対して弔問・参列する側は、その心情や負担を思いやるふるまいが必要です。
今回の記事では、「弔問・参列時におけるふさわしくないマナー」についてご紹介します。
1.弔問時、喪服はかえって失礼
訃報を受けて取り急ぎ弔問する場合、あまりにもきっちりとした喪服で訪問するのはNG。
これは、香典に新札は入れないのと同じように、あらかじめ準備してあったと遺族に不快な思いをさせる場合があります。華美な装飾は避け、お化粧も控えめにしましょう。
2.お悔やみでは死因を尋ねない
遺族に故人の死因や、その状況などを聞くのは差し控えるのが礼儀です。
知らないうちに遺族を傷つけてしまう場合があります。弔問では、玄関先で丁重にお悔やみを述べるだけにするなどして、喪家に状況にも配慮しましょう。
3.故人との対面はすすめられたときだけに
ご遺族から「顔を見て、お別れしてやってください」と勧められたときにだけ、故人(ご遺体)と対面しましょう。故人と親しい間柄であっても、弔問者のほうから対面を申し出るのは控えます。
1.開式の時間には遅れないように
通夜・葬儀は決められた時間に始まります。
参列する人は遅れないよう、時間に余裕をもって案内時刻の15分くらい前には受付を済ませるようにしましょう。
2.新札での香典は失礼にあたる
香典に新札を使用することは、あらかじめ用意してあったようで失礼とされます。やむを得ず使うときは、一度折り目をつけてから包むようにしましょう。
また、香典はバッグやポケットからむき出しのまま直接差し出したり、購入したときの袋に入れたまま出すのはNGです。
弔事の袱紗に包みお持ちすることが常識的なふるまいです。
3.携帯電話はマナーモードに
厳粛な式の進行中に着信音や通知音が響きますと、式の雰囲気を悪くしてしまいます。
ご自身も大変恥ずかしい思いをしますので、しっかり対応しましょう。
「忌み言葉」とは、お葬式や結婚式などでの使用を控えた方がよい、不吉を連想させる言葉のことです。お悔やみの言葉を述べる場面、弔辞を読む際などにふさわしくない忌み言葉がありますので注意が必要です。
1.重ね言葉
不幸が続くことを連想させます。
重ね言葉の例
重ね重ね 再び 再三
再度 いよいよ たびたび
つくづく くれぐれも 続いて
ますます 皆々様 など
言い換えの例もご紹介します。
返す返すも残念 → ほんとうに残念、まことに残念
つづいて〜様に → 同じく〜様に
2.直接的に生死を表す言葉
お悔やみの際には、次のように言い換えるとよいでしょう。
死 亡 → ご逝去、他界、永眠、永別、眠りにつく、世を去る、この世にお別れを告げる、旅立つ
生存中 → ご生前、お元気なころ
急 死 → 急逝、思いがけないこと、突然のこと、不慮のできごと、不測のこと
若 死 → 早世、夭折(ようせつ)
3.宗教によって使えない言葉
たとえばよく使われる仏教の「ご冥福をお祈りします」、「この度はご愁傷様です」という決まり文句や「供養」、「成仏」、「往生」、「冥途」などの用語は神道やキリスト教には不適切です。
「心からお悔やみ申し上げます」
「心からの哀悼の意を表します」
など、どの宗教でも使える表現で言い換えるとよいでしょう。
弔問時・通夜・葬儀で気を付けたいマナーについて解説いたしました。突然のご不幸の連絡があったときにも焦らずに対応できるよう参考にしていただければ幸いです。葬儀は特に参列者側のマナーが求められます。ご遺族の心情や負担を思いやり、不快な思いさせないふるまいを心がけましょう。
※ホームページ内にも「しきたり・マナー(参列者の方)」を掲載しております。
葬儀に関するマナー等でご不明なことがあれば、お気軽にお問い合せください。
(投稿:2022年12月19日)