一般的な葬儀は、ご遺体を火葬して還骨(かんこつ)法要を営み、繰り上げての初七日法要を済ませると、一区切りとなります。そのあとは、七七日(四十九日)にいたる七日七日ごとの法要や一周忌、三回忌などの年忌法要を行います。
初七日で葬儀は一区切りとはいえ、ご遺族は引き続き葬儀後の挨拶や、整理、役所への届け、各種手続きを行わなければいけません。
今回は、ご家族が葬儀後に行わなければいけないこと〈挨拶・お返し編〉を説明していきます。
◆挨拶回り
葬儀が終わったら、翌日からお礼の挨拶に伺います。主な挨拶先です。
・お手伝いをしてくださった方々
通夜・葬儀の時や在宅介護など生前故人をお世話してくださった方などに挨拶します
・病院や入居していた施設など
私物の引き取りや費用の清算なども行いましょう。
・故人の勤務先
会社の方のチェックを受けて遺品の整理を済ませ、会社関係の鍵・バッジなどを
返却し、故人の私物を持ち帰ります
・喪主・家族の勤務先
・近所の方・町内会
滞りなく葬儀を終わらせたお礼を言います。
また町内の回覧板にお礼の挨拶文を出すこともあります。
事情により、挨拶回りに出向くことができない方々へはお礼の挨拶状を出します。
◆僧侶への謝礼
僧侶へのお礼は一般的に「お布施」と「戒名(法名)料」になります。
●お布施
名古屋では枕経、通夜、葬儀、火葬場、還骨、初七日法要のお経までを一区切り
として謝礼をするのが一般的です。葬儀後一週間くらいまでを目安にお寺へ持参することが多いです。
●戒名(法名)料
喪家と寺院とのお付き合いの度合いやお寺への貢献度、喪家の希望も加味されますので、
金額も含めて事前に僧侶にご相談されるとよいでしょう。
◆遺品の整理と形見分け
あくまで時期は目安です。遺品は保存しておくもの、形見分けするもの、処分するものに分けます。
保存しておくもの 仕事関係の書類や帳簿は、5年間は保存しておくと安心です。
形見分け 「形見分け」・・・近親者や親交の深かった人などに故人の使っていた洋服や和服、
時計、愛蔵書、趣味の道具などを贈ることです。遺族に形見分けの意思がなければ、
しなくても構いません。
故人の遺言があるという場合は、それに従うのがよいでしょう。
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◆塗り位牌と仏壇の準備
塗の本位牌は忌明法要までに準備します。作成に日数がかかるので早めに手配したほうがよいでしょう。
※繰り出し位牌の場合は中に入っている木札を僧侶にお渡しし、法名などを書いていただきます。
●忌明け法要の準備
日時、行う場所、僧侶のご都合の確認、食事の手配、引き出物の手配
●香典返しの手配
忌明法要翌日に発送ができるように準備が必要です。品物の選定、送り先の確認、礼状の作成など
●納骨
日時、僧侶の都合、石材店への依頼(お墓の形状により必要になる場合)
●墓地と墓石の準備
お墓がすでにある方は石柱もしくは墓誌に名前など入れてもらいます。(石材店へ依頼)その際、僧侶にお経をあげていただいてから作業に入ります。
●一周忌法要
日時、行う場所、僧侶のご都合の確認、食事の手配、引き出物の手配をします
葬儀をお知らせできなかった方へ
生前に故人と親交のあった人で、葬儀をお知らせできなかった方へは、挨拶状や電話で亡くなったことと連絡します。故人が事業を営んでいてその仕事を家族が引き継いだ場合では、得意先などへ挨拶状を出す必要があります。
喪中はがき
仏式では、「喪中」は一年間(二親等いないの場合)とされ、年内に亡くなった時は喪に服する意味から、年賀状の替わり、年賀欠礼の挨拶状を出します
この挨拶状は(喪中はがき)は知人・友人に服喪中であることを知らせるため、11月中旬〜12月初旬までに到着するように投函します。
もし年賀状をいただいた場合は、1月7日以降から立春の間に挨拶状を出すとよいでしょう。
名古屋では香典返しは忌明けの挨拶を兼ねて品物を贈るのが一般的となっています。また「即返し」といって、香典をいただいたその場でお返しする地域もあります。忌明けでのお返しの場合、三十五日あるいは、四十九日の忌明けを待って、礼状・挨拶状を添えて返礼します。返礼には、いただいた金額の1/2から、1/3相当の品物をお返しします。
供物や供花をいただいた方へのお礼については香典(お金)がお花に替わったものであるので、香典と同様と考え、お礼状を添えてお返しするのがよい、と最近ではおすすめしております。
このように、葬儀後の初七日から一周忌に至るまでご遺族が行わなければいけないことは多々あります。一柳では、葬儀後の諸事についても葬儀のときと同様にご遺族のご相談に丁寧にお応えしておりますので、安心してご相談ください。
(投稿:2022年11月16日)