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香典の書き方と持参する際のマナー

お葬式に参列する際、持参するものが香典です。
今回の記事では、「香典」についてしきたりや書き方、持参する際のマナーなどを解説していきます。

香典を包む習慣について

 「香典(香奠)こうでん」は「香を供える」という意味です。一説によると、火葬の際に故人と縁のあった人々が焚き木を、それも焚くとよい香りがする香木を持ち寄ったことに由来するといわれています。余談ですが、現在の葬儀の際も多くの僧侶の方はご自身でお持ちになられたお香を焚かれています。
 今日では、金銭を持参することが一般的です。現在のようなかたちになったのは昭和初期ごろで、これまでの食物、香、お花などのお供え物から「金銭」を贈って弔意を表すようになりました。これも喪家の出費(葬儀費用)に対するに負担を軽くしようとする「助け合い」の気持ちが込められています。

表書きの使い分け

香典の表書きについては、喪家の宗教・宗派に合わせましょう。市販されているものは種類も多いので、迷われるかもしれませんが下記の表を参考にしてみてください。不祝儀袋に蓮の花の模様があるものは、仏式用ですので、注意が必要です。

【御香典】 仏式の場合、広く一般的に使用されます。9-1.jpg
【御霊前】 仏式、神式に使用できます。しかし「霊」という考え方を取らない浄土真宗では「御仏前」とします。
【御仏前】 浄土真宗の他に一般的には忌明け法要以後に使われます。
【御玉串料】神式の葬儀の際に用いられます。御榊料、御神撰料なども使われます。
【献花料】 キリスト教での葬儀の際に用いられます。献花料、御花料、御ミサ料なども使われます。




表書きの書き方

薄墨の毛筆または筆ペンを使用し、楷書で書きます。名前をフルネームで表書きより小さめに書きます。
二人の場合  ・・・ 表書きに並べて書きます。
グループの場合・・・ <「○○の会」や会社の場合>
表書きにグループ名や会社名を書き、半紙などに(右側から役職順など)全員の名前を書き、中袋に入れます。

水引
仏式の場合では白黒もしくは双銀の結び切り水引、神式では黒白もしくは双銀の水引で結びきりのものを使います。
キリスト教式では水引のないものを使いましょう。
※地域によって異なる場合もあります。

中包み

表には金額、裏側に、住所・名前を書きます。※現在は裏側に金額を書く欄が印刷されているものもあります。
金額を書く場合、「大字」(旧字体)を用いるのが正式ですが、最近では、略式で書くことが多くなっています。

一(壱) 二(弐) 三(参) 五(伍) 十(拾) 千(阡、仟) 万(萬) 円(圓)
例:五千円を包んだ場合・・・「金伍仟圓也」と書きます。
中包みのお札の包み方は、折り返した三角形が下に向かないように気をつけます。

香典の金額について

金額については特に決まりはなく、故人や遺族とのお付き合いの程度や地域などによっても違いがあります。
近親者の場合で「五万円」や「三万円」、一般の弔問者の場合は、「一万円」や「五千円」「三千円」が多いようです。
「四万円」や「九万円」などは避け、偶数(十は除く)は使わないように注意しましょう。
包む際、新札使用することは、あらかじめ用意をしてあったようで失礼とされています。新札を使用する場合は、一度折り目をいれてから包みましょう。

お札の入れ方9-3.jpg
複数枚お札を包む場合は、きちんとお札の向きを揃えます。
現世と死後の世界は逆さになっていると考えられており、お札は裏返して入れる習慣もあるようですが、お香典は死者にお供えするものですので、裏返さずに入れても問題はありません。
中袋タイプの場合は、お札の表側(顔が書いてある面)が中包みの裏側になるようにして入れます。

渡す際に気を付けたいこと

9-2.jpgまずはお悔やみの言葉を述べ、受付の方に香典を渡します。
受付や御霊前の前でバックやポケットからむき出しのまま直接出したり、購入した時のセロハン袋に入れたまま出すのはマナー違反です。正式には袱紗[ふくさ]に包んで持参しましょう。小さな風呂敷やハンカチで代用してもかまいません。
通夜・葬儀どちらに持参しても構いません。
遠方や都合で通夜・葬儀に出席できない場合は後日伺ってお届けするか、お悔やみの言葉とともに現金書留で郵送します。その場合にもきちんと不祝儀袋に包み表書きも正式なかたちで記入するようにしましょう。

 今回の記事では、香典の表書きの書き方、渡し方、金額などについて、解説いたしました。
いざという時に慌てないよう、ご参考にしていただければ幸いです。

(投稿:2022年4月27日)

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