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毎年11月頃は、年賀状の作成を考える時期ですね。今回のコラムでは、年賀状と関わりの深い喪中はがきについてご紹介します。
喪中とは、近親者の死を追悼し、喪に服している期間のことを指します。その期間は慶事を避けるため、年賀状を出さないことが慣習となっています。「喪に服しているので、新年の挨拶は控えさせていただきます」ということを事前にお知らせするのが、喪中はがきです。「喪中・年賀欠礼状」とも呼ばれます。
一般的には、1年以内に2親等以内の親族が亡くなり喪に服している場合に、喪中はがきでお知らせをします。喪に服する期間と故人との血縁関係については、明確な決まりがあるわけではありませんので、故人との関係に応じて喪中はがきを出します。
亡くなった方の2親等以内の親族は、以下の通りです。
1親等・・・父母、義父母、配偶者、子
2親等・・・祖父母、兄弟姉妹、孫
近年では、2親等以内であっても同居しているかどうかで判断する場合があります。逆に3親等以上でも同居している場合には喪に服することもあります。
例年、年賀状は12月15日から受付が開始されます。したがって、喪中はがきを送る相手が年賀状を作成する前の、11月以降、遅くとも12月上旬までに届くように出します。相手に届くのが早すぎても、年賀状作成の際に相手に忘れられてしまう可能性がありますので、この期間に送るのが適切でしょう。
12月にご不幸があった場合など、やむを得ず喪中はがきでお知らせできなかった場合には、寒中見舞いとして挨拶状を送ります。寒中見舞いは、もともとは1年で最も寒さの厳しい1、2月に相手を気遣うための挨拶状です。松の内が明けてから(1月7日もしくは15日で地域によって異なります)立春(節分の翌日)までに送ります。
年賀欠礼状ですので、年賀状をやりとりしている全ての方に送ることが望ましいです。お互いに喪中である親族への喪中はがきは省略される場合があります。
また、仕事上の付き合いなどで故人とは面識がなく、相手に気遣いをさせたくない場合は、通常通り年賀状を送ることがあります。故人との関係やご自身の状況に合わせて、必要と思われる範囲に出します。なお、相手が喪中の場合もこちらが「挨拶を控えること」を伝えるためのものですので、喪中はがきを送付します。
喪中はがきは新年の挨拶を控える理由を伝えるためのものです。したがって、お祝いごとや近況報告など喪中と関係のない内容は書かないようにしましょう。
具体的には以下の内容を書きます。
・「喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきます」という旨の文章
・いつ、誰が、何歳で亡くなったのか、故人との続柄
・故人が生前お世話になったことへの感謝の言葉
・送付相手の今後の発展を願う言葉
・日付
・差出人
【文例】
喪中につき 年頭の挨拶を 差し控えさせていただきます
〇月に父◯◯(享年◯◯)が永眠いたしました
生前に賜りましたご厚情に心より感謝申し上げます
皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます
令和〇年十二月
差出人名
「年賀」などのお祝いの言葉は使わず、「年始」「年頭」などを使用します。
また忌み言葉や重ね言葉を使用しないように注意しましょう。忌み言葉、重ね言葉については、コラム「気をつけたい弔電のマナー」で紹介しています。
コラム 「気をつけたい弔電のマナー」>
なお、喪中はがきは縦書きが基本で、他の挨拶状と同様に句読点はつけません。また行頭一字下げはしません。
こちらが喪中であることを知らない、または忘れてしまった人から年賀状が届くことがあります。その場合は、返信がないと心配をかけてしまうことがありますので必ず返信をしましょう。寒中見舞いは喪中のときでも送ることができる挨拶状です。
寒中見舞いは、もともとは1年で最も寒さの厳しい1、2月に相手を気遣うための挨拶状です。松の内が明けてから(1月7日もしくは15日で地域によって異なります)立春(節分の翌日)までに送ります。
・喪中はがきを出した相手から年賀状が届いた場合
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただきありがとうございました
喪中のため年頭のご挨拶を差し控えさせていただきました
寒い日が続きますがどうぞお体大事にお過ごしくださいませ
令和〇年一月
差出人
・喪中はがきを出していない相手から年賀状が届いた場合
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただきありがとうございました
喪中のため年頭のご挨拶を差し控えさせていただきました
本来ならば旧年中にお知らせするところ
年を越えてしまいました非礼をお詫び申し上げます
まだまだ寒い日が続きますがご自愛くださいますようお祈り申し上げます
令和〇年一月
差出人
喪中はがきを受け取った場合に返事を出さなくても失礼にはあたりません。しかし、故人との関係が深い場合は返信をしましょう。方法は2つあります。
1.喪中見舞い
喪中見舞いは喪中はがきを受け取った後、年内に送ります。お線香や香典などと一緒に送ることができます。
【文例】
喪中お見舞い申し上げます
ご丁寧なご挨拶状をいただきありがとうございます
〇〇様のご逝去を存じ上げずお悔やみの言葉を掛けることなくおりましたことをお詫び申し上げます
遅ればせながら〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
どうぞ皆様お体を大切に 新年をお迎えください
令和◯年十二月
差出人
2.寒中見舞い
松の内が明けてから(1月7日もしくは15日で地域によって異なります)立春(節分の翌日)までに送ります。
【文例】
寒中お見舞い申し上げます
この度はご丁寧な挨拶状をありがとうございました
ご服喪中と存じ 年始のご挨拶はご遠慮させていただきました
◯◯様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
どうぞお身体を大切に 本年もお健やかに過ごされますようお祈り申し上げます
令和〇年一月
差出人
喪中はがきは「喪中のためご挨拶は控えさせていただきます」という意味であり、相手からの年賀状を断るものではありません。しかし一般的には、喪中はがきが届いたら年賀状を控えるのがマナーですので、すでに年賀状を投函した後に喪中を知った場合には、電話などでお詫びの連絡する、もしくは喪中見舞いを送りましょう。お詫びの言葉と、喪中だと知らなかったこと、お悔やみの言葉を伝えます。
また、相手に年賀状が届いた後に、喪中であることに気がつく場合もあります。そのときには、寒中見舞いを送りお詫びを伝えましょう。
【寒中見舞いの文例】
寒中お見舞い申し上げます
この度はご服喪中と存じ上げなかったとはいえ
年始のごあいさつを差し上げてしまい 大変失礼いたしました
〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
寒い日が続きますので風邪など召されませぬよう どうぞご自愛くださいませ
令和〇年一月
差出人
今回は喪中はがきについてご紹介しました。大切な方が亡くなられた後、遺されたご家族にはやるべきことがたくさんあります。しかしながら、ご友人や知人の方に「不幸があった相手に年賀状を送ってしまった」という気まずい思いをさせないためにも、喪中はがきは早めに準備したいですね。
(投稿日:2023年10月23日)