名古屋の葬儀・永代供養・納骨堂は一柳葬具總本店
お葬式では、式場づくりにおいてさまざまな幕を使用します。
斎場の入り口や祭壇の前などで白や家紋入りの幕を目にすることがあるかと思います。
この記事では、お葬式の場で使用される「幕」の名称や役割などを解説します。
※幕の色などは地域、宗教によって異なります。
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葬儀式場の天井から張られる白い幕のことを
水引幕(みずひきまく)といいます。
?◆なぜこのような飾りつけを行うのでしょうか?
昔は、人が亡くなると、「喪屋(もや)」と呼ばれる建物を作りました。4本の柱に屋根をのせて作った簡易的な建物で、その中にご遺体を安置したそうです。
昔の人は「死」=「祟りによるもの」、「こわい、おそろしいもの」と考えていました。そこで、人が亡くなると喪屋を建て、その中にご遺体を安置することで「こわい、おそろしいもの」を外に出さないための「結界」にしたとされています。
現代の水引幕は、この喪屋の代わりになったものです。葬儀式場の四方に張ることで「結界」の役割を果たしています。
死亡判定がまだ曖昧であった古代では、亡くなった人とその家族は喪屋の中でしばらくの間、死者を生きている者と同様に接し、その死を受け入れるまで一緒に過ごしていたそうです。
家族は「死」を受け入れ、死者の魂が「祟り」にならぬよう、時間をかけて丁寧に霊を慰めたとされています。生と死の境界線の期間を「殯(もがり)」と呼びます。「死者を大切にするという考え方」と「死を恐れる考え方」、この2つの考え方あったとみてとれます。
自宅や寺院、集会所などで葬儀を行う場合に使用される、白と黒の縞模様のような幕のことを鯨幕(くじらまく)といいます。お通夜や告別式の際に、式場内や建物の周辺に張られます。
?名前の由来は、白と黒の縞模様が「くじら」を連想させること、くじらの黒い皮を剥いだとき皮の下に白い脂肪がついていることからこのように呼ばれます。
鯨幕が一般的なお葬式で使われ始めたのは明治以降のことで、意外と歴史は浅いのです。
それまでの日本のお葬式では、真っ白な幕が使われていました。
というのも、もともと日本では、お葬式=喪=「白色」を纏うのが一般的で、黒という色は非常に「高貴な色」とされていました。
しかし江戸時代ごろから西洋の文化が日本にやってきます。西洋では、弔意や悲しみを表す色は「黒」とされていて、この西洋の文化を日本のお葬式に取り入れたのが始まりといわれています。
現代では、弔事の際に使われるイメージがありますが皇室の慶事にも使われており、冠婚葬祭どちらにも使われます。
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鯨幕も 水引幕と同じように「結界」の役割を持っています。
そのほかにも式場内外の区切りや目隠しの役割があります。かつては今のような葬儀斎場でなく、ご自宅やお寺での葬儀がほとんどでしたので、家の中の見せたくない部分を隠す意味でも鯨幕を張りました。また会場の周囲に鯨幕を張ることで、「ここでお葬式をしている」ということを近所などに知らせるという役目もあります。
だた、鯨幕は葬儀で必ず使わなければいけないというわけではなく、地域によって慣習や幕の色なども異なります。
白と黒と鯨幕のほかに、地域によっては濃い青と白の浅黄幕(あさぎまく)と呼ばれる幕をお葬式で使われることがあるそうです。また、赤と白の紅白幕(こうはくまく)はご入学や卒業など「お祝いごと」で使われています。
いかがでしたでしょうか。葬儀式場に張られた幕には、結界の役目、穢れを祓う、式場内外を区切るためなど様々な役割があるということがおわかりいただけたかと思います。そして白黒の「鯨幕」は意外に歴史が浅く、西洋文化の影響を受けて、日本のお葬式に取り入れられたものをいうことをお伝えしました。
?丁寧に飾りつけられた式場に入ると、厳粛な雰囲気も感じられますね。葬儀に参列される際には、葬儀場の飾りつけにも注目してみていただければと思います。
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