お役立ちコラム

  • 葬儀後に必要なこと

遺品整理はどう進めればいい?

 遺品整理とは、故人が残した物を整理、処分することです。その目的は、物の片付けだけではなく、相続財産の確認をするためでもあります。また、故人の物を片付けることで、遺された人の気持ちを整理することにも繋がります。
 遺品整理に決められたルールはありません。また「いつまでに終わらせなければならない」という期日もありません。ただし、賃貸物件や介護施設に住んでいた場合は、退去の期日を確認し、期日までに片づけをする必要があります。また、相続に関する遺品がある場合には、相続税の申告期限に注意しましょう。


誰が遺品整理をするのか?

 故人の遺品整理は、【故人の相続人】に遺品整理の義務が発生します。なぜならば、故人の遺品の所有権が相続人に移るからです。遺言書がある場合は、指定された相続人に遺品整理の義務が発生します。相続放棄をすると、遺品整理の義務はなくなります。

遺品整理をしないとどうなる?

 遺品整理は必ずしなければいけないのでしょうか。もし行わないと以下のような問題が起こる可能性があります。

・利用料の費用発生
 家賃、水道光熱費、インターネットプロバイダー契約、有料の月額サービス(動画視聴サービスやレンタルサービスなど)、定期購入サービス、クレジットカード年会費など、故人が申し込んだサービスは、解約するまで継続的に利用料が発生し、請求されます。


・相続税の申告漏れ
 相続税がかかる遺産が遺品の中に含まれる場合、相続税の申告漏れに繋がる場合があります。

・犯罪などのトラブルの危険性
 空き家をそのまま放置すると、放火や不審者の侵入といった犯罪に巻き込まれる可能性があります。

・特定空き家の認定
 「空家等対策の推進に関する特別措置法」(2015年5月施行)では、以下のように定められています。
 "特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。"
 (「空家等対策の推進に関する特別措置法」第二条2より引用)
 この法律では、倒壊の危険性があったり、衛生面上に問題がある空家を「特定空家」と認定し、行政の指導や助言を行います。所有者はそれに基づいて改善を行う必要があります。もし改善されなかった場合には、固定資産税の特例が受けられなくなる、罰金が課されるなどの処置がなされる可能性があります。

・遺族の気持ちの整理
 故人の物が生前のまま残されていると、遺された人の気持ちが整理できないままになることがあります。

遺品整理のタイミング

 葬儀後は対応すべき手続きが多く、遺品整理まで手が回らない場合が多いですし、精神的にも負担になります。手続きが一通り終わった後や、親族の集まる四十九日法要の際に始めるのがよいでしょう。

遺品整理を始める時に気をつけること

 まずは遺言書の有無を確認しましょう。遺言書がある場合には、勝手に遺品を処分することはできません。遺品はすべて「相続財産」になります。一人で勝手に譲渡したり、処分してしまうと、後で他の親族と揉める場合があります。ちなみに、遺言書が見つかった時、勝手に開封してはいけません。遺言書は偽造や変造を防ぐために、家庭裁判所による検認が義務付けられています。勝手に開封すると5万円以下の罰金が課される場合がありますので注意が必要です。

遺品整理の方法

 遺品整理では、故人の物を以下の4つに分けていくとよいでしょう。

1.貴重品
現金、預金通帳、株券、クレジットカードなどだけでなく、年金手帳や保険証なども含みます。

2.残したいもの
写真や手紙、思い出の品など

3.処分するもの
ゴミ、衣類、食器など不要なもの

4.買い取ってもらうもの
家具、家電製品、貴金属製品など

 判断に迷ったら、一旦保留にして、後から再度仕分けをすることをおすすめします。捨ててしまってから後悔することがないように進めていきましょう。

遺品整理で困らないために

 遺品整理は、ご自身で行う以外にも、専門業者に依頼することができます。依頼する場合には、信頼できる業者かどうか、どこまでの作業を行ってくれるのかなど、詳細を確認します。できれば、1社だけではなく複数社から見積もりを取りましょう。単なる片付け作業ではなく、遺族の気持ちに寄り添って作業を行ってくれる業者が望ましいでしょう。また、不用品の買取を一緒に行ってくれる業者もあります。いずれの場合でも、一人では行わず、親族と話し合って進めることが不可欠です。勝手に遺品整理を行うと、形見分けや財産配分で揉める原因になりますので注意しましょう。

 遺品整理は、ご自身で行う場合も業者に依頼する場合にも大きな負担と労力を必要とします。一柳では、イチヤナギ倶楽部会員様向けに、信頼できる専門家と共に幅広いサポートをさせていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
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(投稿日:2023年8月21日)

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