名古屋の葬儀・永代供養・納骨堂は一柳葬具總本店
「お葬式を『葬儀』と言ったり、『告別式』と言ったりするけど、何がどう違うのですか?」
相談会やセミナーで時折このような質問をいただくことがあります。「言葉としては当たり前のように使っているけど、由来や意味と聞かれるとよくわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、「葬儀」と「告別式」の意味とそれにまつわるちょっとしたこぼれ話をまとめていきます。
辞書の上での意味からいうと、
・「葬儀」:死者を葬る儀式
・「告別式」:故人の霊に対し、縁故・知人が告別をする儀式
となっています。
「告別式」という言葉で最初に行ったのが1901年(明治34年)の中江兆民の葬儀であったといわれています。兆民自身が無宗教であったため、宗教儀礼を無しにし、「葬儀」に代わる言葉として「告別式」としたようです。
一柳では昭和の初めに「葬儀」と「告別式」を区分したものを現代様式の葬儀として、
「葬 儀」...各宗派の式次第にしたがった親族中心の宗教儀式
「告別式」...一般参列者の方々の会葬、告別の場
と意味づけ、区別しています。
なので新聞広告などの公に向けての告知では、告別式(一般の参列者の方へ向けて)の開始時間が案内されています。今ではほどんどの葬儀社が「葬儀」「告別式」を同時進行で行っています。
現在では当たり前になった「葬儀」と「告別式」を分けるというこの形式も、昭和初期には世間には受け入れられていませんでした。
一柳が「告別式」の形を公に使った最初の儀式は昭和5年のことです。
それまでの葬式といえば、会葬者に食事やお酒をふるまうのが普通で、大変時間のかかるものでした。1時に終わるはずのお葬式が3時、4時に伸びてしまい、葬列を出せないという事態もありました。
「『一般会葬者のために告別式を切りはなす』ことが必要になってきた」...
しかし当時は「葬儀」と「告別式」に分けることで儀式の形骸化を心配する声もあり、そのような方々を説得して行われたという記録が残っています。(一柳百年史より)
この新しい試みは結果的に大成功、特に一般参会者から多くの賛同をいただき、現在のかたちにいたっています。
いかがでしたでしょうか。「葬儀」も「告別式」も同じような意味だととらえていた方も多かったのではないでしょうか。もともと「告別式」という言葉はなく、一般会葬者のお参りために「葬儀」から切り離された儀式を「告別式」と呼ぶようになったのです。
このようにお葬式とは時代とともに形式は変わってゆきます。
この数年、新型コロナウイルスの影響でお葬式のかたちも大きく変わりました。
焼香時間を長く設けたり、オンラインでの会葬を取り入れたりするなど各葬儀社が工夫をこらし新しい生活様式に対応しています。
ときには世の中の情勢やニーズを取り入れながら、今までのやり方を変えてゆくことも必要ですが、故人に対しての「弔う心」はいつまでも変わらずに大切にしてゆきたいものです。
(投稿:2022年3月7日 更新:2022年5月10日)